トップメッセージ
昭和40年、美しい佐潟の湖畔に開院以来、一帯は佐渡・弥彦・米山国定公園、ラムサール条約登録湿地、新潟県景勝地百選と相次いで選定され、その風光明媚な環境は新潟市にありながら唯一、自然が完全な形で息づく桃源郷を思わせます。この恵まれた環境の中で、私達は患者さまに安らぎと信頼の医療を提供して参りました。
創立55周年となる令和2年4月、当院は、病院名を「佐潟荘」から「佐潟公園病院」へと変更いたしました。この地の自然環境と共生しつつ、これからも理念に謳う地域に愛される精神科医療機関の実現のため、職員一同力を合わせて参りますので、変わらずご支援のほどお願いいたします。
当院は、精神科急性期治療病棟、認知症治療病棟を持ち、一般精神のほか、思春期外来や中高年の物忘れ外来などの専門外来を特色としています。また、患者さまの社会復帰にも力を入れ、精神科デイケア、訪問看護ステーション、グループホーム、就労継続支援施設の運営を行なうほか、新潟市の委託を受け認知症初期集中支援チームの活動を行っています。
今後も精神疾患をもつ方が、地域社会で安心・安定して暮らせるための社会復帰事業や訪問看護など、在宅医療の充実にも努めて参ります。さらに、患者さまやご家族に対する疾患教育を行い、心の健康作りや疾患予防にも力を注ぎ、引き続き地域医療と福祉に貢献していく所存です。
理事長 上村徹
栃倉博の後継として、2015年の4月から佐潟公園病院長を務めております北村秀明です。この場をかりまして、自己紹介ならびに当院の特徴、目標とする精神医療についての簡単に述べさせていただきます。
当院は新潟大学医学部精神医学教室の第2代教授であった上村忠雄が、1965年の3月に定年を前にして大学を辞し、 4月に名誉教授となるとともに佐潟荘院長に就任したことに始まります。私も当院に赴任する前は准教授として、 新潟大学医歯学総合病院では精神科診療に、医学部においては精神医学の教育・研究に従事しておりました。 佐潟荘創立の翌年に生まれた私が、母校の大先輩が創立した病院を任されるとは、大変な名誉であるとともに、 並々ならぬ責任の重さを感じております。
当院の第一の特徴は、何と言っても国定公園内に位置する病院という、世界的にも稀な立地にあります。米国ボストンのマクリーン病院は、全米で一二を争うハーバード大学医学部の関連教育病院ですが、民間の精神科病院です。広大な敷地に貴族の屋敷のような病棟や施設が点在しており、良い環境がこころの回復にいかに重要かを物語っています。
精神症状や心理的苦痛の軽減にとどまらない、身体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態(well-being)への回復を、多職種協働の精神医療で支援することが当院の目標です。病院職員は、最新かつ最良の科学的証拠に基づいた医療の実践と、医療人としての人間性の醸成に努力します。患者さま、ならびにそのご家族、 地域の皆様、今後もよろしくお願い申し上げます。
院長 北村秀明